形成外科

ホクロ・イボについて

ほくろ・イボについてホクロやイボなどのできもの(腫瘍)は、体表面のいろいろな所に、いろいろな大きさのものがあります。手術方法は、できものの大きさとどこにあるかによって決まります。
基本的な手術方法は、局所麻酔を注射して木の葉型に切除した後縫合するというもので、時間的には15~30分くらいです。通常、翌日の診察で問題なければ、手術翌日からシャワーの許可が出ます。抜糸は1~2週間後になります。また、切除したできものは、悪性(がん)ではないか確認のために組織検査を行います。
手術の傷痕は残りますが、形成外科ではその痕がなるべく目立たないように細かく縫合しますので、数ヶ月も経つとホクロがあったことも忘れてしまう人が多いです(抜糸直後の傷は赤みがあり硬いですが、数ヶ月経つと白く柔らかくなります)。
毛剃りの邪魔になる、メイクの時に気になるなど、不便なようであれば手術をおすすめします。
高齢者のホクロやイボは悪性化することも多いので、早めに除去をしましょう。


粉瘤(アテローム)について

皮膚の下にできた袋(嚢腫)に垢や皮脂が溜まってできる腫瘍(できもの)です。溜まった中身を出しても、袋の内側は皮膚の表面と同じ構造をしているため、また垢や皮脂などが溜まり大きくなります。
炎症を起こしていなければ手術で袋ごと取り除けますが、化膿して膿が溜まっている場合は、まず切開して膿を出し、炎症が治まってから摘出手術を行います。手術時間は約20~30分です。
通常、翌日の診察で問題なければ、翌日からシャワーの許可が出ます。抜糸は1~2週間後になります。


アザについて

アザについて体表に現れるアザは、小さいものなら切り取ってきれいに縫い縮めることができます。縫い寄せられないほど黒く大きなアザは、皮膚移植が必要になる場合があります。これは色素性母斑といい、体の表面のどこにでも、様々な形で現れる可能性があります。
レーザーで取れないのかと聞かれることもありますが、この種の黒アザにはあまり効果がありません。切り取って縫い寄せると説明すると驚く方もいらっしゃいますが、形成外科の専門医が手術をすると、切った痕はほとんど目立たなくなります。


陥入爪(巻き爪)について

陥入爪について手足の爪が肉に食い込んで痛んだり、赤く腫れたりしている状態を「陥入爪」といいます。
原因は様々ですが、子供から高齢者まで年齢や性別を問わず発症する可能性があり、特に足の親指に多く見られます。

(陥入爪について)


眼瞼下垂(がんけんかすい)について

眼瞼下垂について眼瞼下垂の多くは、上まぶたを挙げる筋力が弱くて目が半分くらいしか開かないので、上まぶたの筋肉を短縮してまぶたが挙がるように手術します。
加齢とともにまぶたが垂れ下がってくる老人性眼瞼下垂の場合は、手術でたるんだ上まぶたの皮膚を切り取り、黒目が多く見えるようにして、老けた感じを改善します。
眼瞼下垂が肩こりや頭痛の原因になる場合もありますが、上まぶたの手術をしたら肩こりや頭痛が無くなるというお約束はできません。あくまでも「見た目」の改善が第一目的です。
上まぶたの変化は顔全体の印象に大きく影響しますので、専門医に詳しく相談してから手術を受けましょう。


やけどについて

火傷についてやけど(火傷)は、深さで治る期間が大まかに決まります。
1度という水疱のない赤くなるだけのやけどなら1週間くらいで治り、傷痕も残りません。
水疱ができる、2度の浅いやけどは、治るのに2週間ほどかかります。この場合、傷痕は残りますが、1年ほどで目立たなくなります。
痛みを感じる神経は皮膚の浅い部分、つまり表皮に近いところに多く存在しているため、このような1度と2度の浅いやけどでは痛みを強く感じます。それ以上深いやけどになると、あまり痛みを感じません。
2度の深いものと3度のやけどは、目立つ傷痕が残ります。また、治るのに1ヶ月以上かかります。
当院ではやけどの治療だけでなく、やけど痕の治療も行っています。治った痕が気になるという方も一度ご相談ください。


ニキビについて

ニキビについてニキビとは、毛穴に皮脂が詰まり、皮膚の表面にいる細菌が増殖し、毛穴の中で炎症を起こしてしまう状態です。主として思春期に発症し、顔面にみられることが多いです。
ニキビは、ほとんどの人が程度の差はあれど一生に一度は経験するもので、生理現象の一つとしてとらえられることもありますが、症状の強い場合には美容的に大きな問題になります。容姿に敏感な思春期の男女には特に想像以上の精神的ストレスを与えていることも多く、ニキビで悩む人は少なくありません。思春期を過ぎるとニキビの赤みは引いてくることが多いですが、何度も炎症を繰り返したニキビは、赤みが引いても皮膚のひきつれや盛り上がり(ニキビ痕)を残すことがあります。
ニキビの治療で重要なのは、症状が強いときに飲み薬や塗り薬を用いて赤みを抑え、ニキビ痕を残りにくくすることです。
専門の医療機関では、ニキビに対しての治療を行っています。気になる方は一度ご相談ください。


傷痕について

傷あとについて外傷(けが)や熱傷(やけど)は、子供から大人まで、誰にでも頻度の多い疾患です。
一度傷ついた皮膚を、全くの元通りにするのはとても難しいことです。また、傷の洗浄や、軟膏を塗る、テープを貼り替えるといった毎日の処置は、患者様にとっては痛みを伴うだけでなく、面倒でもあります。
そこで、外傷や熱傷は、より早く、よりきれいに治すことが大切になります。誤った処置を行うと、傷が治りにくいばかりでなく、処置の時に痛みが強く、目立つ傷痕が残る原因となることもあります。
形成外科医は、傷と傷痕を治療する医師として日々診療を行っています。けがに対しては、手術の痕が目立ちにくくなるよう丁寧な縫合を行います。また、受傷した部位や体質により、傷痕が残りやすいこともあるので、傷痕が目立つ場合にはテープによる圧迫や、内服、注射、手術による治療を行います。これらの多くは保険適応となりますので、専門の医師を受診してください。


★そのほか、ご心配なことがありましたらご相談ください。